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2014年第47号より2013年第32号より

【多摩大学創立25周年記念シンポジウム】

  

 2014年、多摩大学は開学25周年を迎えました。これを記念して、地域(ローカル)に足場を固めつつ、グローバルを視野に入れる「グローカル」志向を基軸とする多摩大学の教育理念が反映された公開講座など、様々な事業が展開されています。その一環として、11月15日(土)には多摩キャンパスにて記念シンポジウム「多摩の『健康まちづくり産業』を構想する」が開催されました。また、同日には寺島実郎監修リレー講座第7回講義(講師:寺島学長)が行われ、多摩というローカルから歴史と世界を展望するグローカリティの意義が論じられました。


◆多摩大学創立25周年記念シンポジウム

 「多摩の『健康まちづくり産業』を構想する」
 持続可能な暮らしを構築するために、地域の健康資源を生かし、産官学と地域の人々が連携した「健康まちづくり」の創造をテーマとする本シンポジウムは、八木敏郎氏(多摩信用金庫理事長)による来賓祝辞で幕を開けました。続いて寺島学長、宮島和美氏(株式会社ファンケル代表取締役 社長執行役員)、阿部裕行氏(多摩市長)によるキーノートスピーチがあり、産官学それぞれの立場から見た「健康まちづくり」への展望が示されました。
 続いて、株式会社ファンケルヘルスサイエンスが展開する予防医療事業、京王電鉄株式会社による取組事例、そして多摩大学教員からは健康分野におけるICT利活用に関する研究報告があり、その後、久恒啓一氏(同大学経営情報学部長)をはじめ、産学官のキーパーソンによるパネルディスカッションが行われました。
 楽しみながら健康づくりを行う継続的な仕組みの形成を目指し、地域の産官学がシナジー効果を追求すべく知恵を出し合うオープンプラットフォームの形成が合意されるなど、地域に立脚する多摩大学の開学25周年事業にふさわしいシンポジウムとなりました。

 

◆寺島学長 講義概要
 「17世紀オランダからの視界- オランダと向き合った江戸期日本」
 寺島学長は、歴史観を持って時代をどう認識するかが様々な事象を捉える鍵であると述べ、歴史観を構築する上で近代を象徴する17世紀オランダを視界に入れる意義を論じました。また、多摩大学が掘り下げている「多摩学」について触れ、多摩の地域史が世界史につながるグローカリティの展望を示すために、その事例である八王子千人同心に関する史論を展開しました。
 次に、海外との接点が制限されていた江戸時代の浮世絵が、オランダ・中国との東西文化交流の所産であったことを明らかにしました。続いて、新井白石と荻生徂徠、そして本居宣長を通じて、日本人の世界観や自己認識の追求に向き合った江戸時代の知性を解き明かし、広い視野に立った歴史観の意義を受講者に伝えました。

 

2014年第46号より2013年第32号より

【日本食・食文化魅力発信プロジェクト」 第2回検討会】

 
 2014年10月8日(水)、日本総合研究所が委託研究として実施する「日本食・食文化魅力発信プロジェクト」第2回検討会が農林水産省食料産業局にて開催されました。これまでの検討会・分科会における委員の指摘事項を踏まえ、「日本食・食文化の海外普及戦略(草稿案)」について活発な意見交換が行われました。

 検討会の座長である寺島は、「日本食・食文化」の教育・検定認定制度を確立する上で、企業・団体・政府間での連携が必要不可欠であり、既設の制度・組織を整理し付加価値をつけていく必要があると論じました。また、新たに日本食の品質を担保する制度設計や認定制度の確立も必要であると指摘しました。
 次に統合型リゾート(IR)についても言及し、フードツーリズムにさらなる付加価値をつけるためには、真の統合型リゾート(IR)を実現する構想力が必要であるとして、観光立国のモデルとして高付加価値を創出しているシンガポールの事例に加えて、企業の最先端技術の視察等を実施するインダストリアルツーリズムがハイエンドの観光客を惹きつける装置になりうる点を取り上げました。 
 さらに「脱工業生産力モデル」を構築していく中で、サービス産業を成長させるためのプロジェクトエンジニアリングが必要であると強調しました。

 
◆一般財団法人日本総合研究所の主な活動内容については、下記ウェブサイトをご覧ください。

  http://www.jri.or.jp/research/

2014年第45号より2013年第32号より

【北海道研究会(第2回)】


 2014年9月11日(木)、文庫Caféみねるばの森にて、6月に発足した寺島文庫塾北海道研究会の第2回研究会が開催されました。今回は、日本ユニシス株式会社執行役員で前三井物産株式会社北海道支社長の角田道彦氏を講師にお招きし、「ICTが拓く北海道の未来」をテーマに講義を行っていただきました。
 角田氏は、北海道の未来について、人口が減少していく中、超長期的には泊原発も無くなり、エネルギー面についての懸念はあるが、ICTは北海道の津々浦々まで繋がり、北海道新幹線は札幌まで延伸されるなど明るい点もあると指摘しました。また、依然として日本の食・エネルギー・水を支え続ける北海道は、世界での認知度も高まりつつあり、真のIR(統合型リゾート)という観点から国際観光拠点になるであろうと語りました。
 さらに角田氏は、北海道はビジネスやR&D、イノベーションの拠点として、世界の企業経営者や技術者・研究者・クリエーター、そしてアーティストの活動拠点、知的創造の集積基地となるべきであり、また「スーパー・ナチュラル・リアル・エリア」として自然を徹底的に守ることも大切であると北海道の将来像を述べました。
 講義後、参加者との質疑応答において活発な議論が行われ、盛況のうちに閉会いたしました。

 

2014年第44号より2013年第32号より

【北海道次世代戦略経営塾(第2回)】

 
 2014年7月29日(火)、北海道経済センターにて北海道次世代戦略経営塾(第2回)が開催され、元グーグル日本法人名誉会長の村上憲郎氏(村上憲郎事務所代表)が「ウエアラブルとO2O(Offline to Online ) が切り拓くICTの新地平」をテーマに講義されました。

 

(講義概要)
 2018年には世界のIOT機器台数が80億台にのぼると予測されています。IOTとは「Internet Of Things」の頭文字を取った言葉であり、日本語では「モノのインターネット」と表現されています。これまでインターネットは、メール、Facebook、Twitterなど主にヒトとヒトとのコミュニケーションに使われてきました。村上氏は、従来のPCやスマートフォンだけではなく、今後は、スマート腕時計やスマートメガネなどのウエアラブル端末(身につけて持ち歩くことができる情報端末)、さらには家電、電力計等がインターネットに接続することにより、ヒトとモノ、モノとモノが通信し、新たな価値が創出されていく可能性を示しました。このような進化が個々のビジネス現場に大きな影響をもたらす時代がすぐそこにまで来ているのです。
 また、アップル、グーグル、アマゾンなどサイバー空間の覇者が、設計、製造、物流、決済などリアルワールドに雪崩を打つかのごとく参入している様子を紹介しました。こうした時代の潮流に取り残された感を抱く実店舗などオフライン側の経営者は、この状況をネガティブに考えるのではなく、ビッグデータ解析などオンライン側のテクノロジーを積極的に取り入れるべきと、その重要性を説きました。
 さらに村上氏は、植物工場など北海道における「スマートアグリ」の取組について、日本の食料生産の一大拠点として先頭を走って欲しいと期待を述べ講義を締めくくりました。

2014年第43号より2013年第32号より

【寺島文庫塾 北海道研究会発足】

 寺島文庫塾北海道研究会は、北海道出身者やゆかりのある方を主な対象に、寺島文庫塾の新たなクラスターとして、北海道を多角的な視野から考察・議論し、様々な課題解決や活性化に向けて研究や提言を行う場として発足しました。

 6月18日(水)には、寺島文庫ビルにて第1回研究会を開催し、北海道出身の方を中心に約30名が参加されました。冒頭、本研究会設立の目的と意義を寺島が語ったのち、株式会社カネカ代表取締役会長の菅原公一氏(北海道沼田町出身)に講義を行っていただきました。

 菅原氏からは、2009年にカネカが創立60周年を迎えたことを機に、新たな企業理念と長期経営ビジョン「KANEKA UNITED宣言」を策定し、この中で5つの“絆”(「未来をつなぐ」「世界をつなぐ」「価値をつなぐ」「革新をつなぐ」「人をつなぐ」)を掲げ、「変革」と「成長」の実現を目指していることが紹介されました。そして、「変革」と「成長」を実現するためには、常識や既成概念にとらわれず、本質を突き詰めて考えることが、現代を生きる企業人に課せられた大きな使命である等、貴重なご講義を頂きました。
 講義後は文庫Caféみねるばの森で懇親会が催され、貴重な交流の場となりました。今後、北海道研究会は年間4回程度、開催していく予定です。

■北海道新聞(6月19日付・朝刊)で寺島文庫塾北海道研究会開催の様子が紹介されました。