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2013年第26号より

「就職を機に世界と人生を考える! BS寺島 月9トーク」 3月の放送をご案内します! 
 BS12ch (TwellV)にて、毎週月曜日 よる9時放送中!

 「この人の話を若者に聞かせたい」と寺島が考える本番組の対談では、多くの珠玉のメッセージが若者や視聴者に発せられました。ここでは、3月中に放送される番組内容を先取りしてご紹介します。

□大里 洋吉 氏 (株式会社アミューズ代表取締役会長)

(第9回・第10回 2月25日・3月4日放送予定)
渡辺プロを経て、1978年にアミューズ設立。サザンオールスターズや福山雅治などを育て上げるなど、アミューズを大手芸能事務所に成長させた大里氏。1歳違いの2人は、同じ時代を生き、同じ音楽や映画に触れてきたということで、対談はミュージカルや俳優の話にも及びました。企業理念に「感動だけが人の心を撃ち抜ける」と掲げる大里氏は、「まだアミューズは到達点に至っていない」と新たな挑戦を明言しました。寺島は「この熱さがエンターテイメント産業を支えている」と学生に伝えました。 
 
□水野 彌一 氏 (京都大学アメリカンフットボール部前監督) 
     
 (第11回 3月11日放送予定)
1976年、京都大学アメフト部「ギャングスター」は、関西アメフト界の雄・関西学院の28年間無敗・145連勝を阻止。甲子園ボウル(大学選手権)優勝6回、ライスボウル(全日本選手権)優勝4回を成し遂げてきました。かつては弱小であったギャングスターを栄光に導いた水野前監督が対談ゲストです。ともに中島敦の『李陵』を愛読する2人は、人間の生き方を巡って熱く議論しました。そして寺島は、最近の若者は「戦って生きている大人を見て育っていない」と、本来あるべき教育の姿を指摘しました。 
 
□澤田 秀雄 氏 
 (株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長、ハウステンボス株式会社代表取締役社長)

 (第12回 3月18日放送予定)
第12回放送のゲストは、寺島が委員長を務める「就職を機に世界と人生を考えるためのワークプレイスメント推進協議会」の委員でもある澤田氏です。今でこそ、日本を代表する企業グループを築き上げた澤田氏ですが、「机2つ、電話1本」の事務所からのスタートでした。様々な失敗を乗り越えて今を築いた澤田氏は、学生に「夢と継続」の大切さ、挑戦10回のうち成功3回でも「3割打者」と笑顔でメッセージを伝えました。
 

澤田氏との対談終了後、寺島は改めて学生と向き合い、これまでの対談を総括し、あらゆるゲストに共通する人間力を話題としました。また、積極的な質問を発する学生に対し、「どんな局面にあっても逃げるな」、「説得力を磨くのは一生の課題だ」など、人生を生き抜くためのメッセージを力強く伝えました。どうぞご期待ください。 

 ◆番組詳細は下記バナーをクリック


※ 4月より再放送を予定しております。詳細は本ウェブサイトにてお知らせ致します。

 

2013年第25号より

多摩大学寺島実郎監修リレー講座 2012年度秋学期講座(全12回) 
寺島実郎学長による最終講義が行われました!

 2013年1月10日(木)、多摩大学リレー講座が最終回を迎え、寺島学長が登壇しました。学生と西東京地域を中心とした社会人を対象とした本講座は、過去5年間で延べ人数約6万人の受講者を迎えてきました。
 本日の講義テーマ「2013年への展望―日本の進路」を論じるにあたり、冒頭で寺島は年始に訪問した奈良県明日香村に触れました。岡寺の如意輪観音塑像は、空海が日中印3か国の土で造ったと伝承されているように、自身にとって明日香は日本がユーラシア大陸との連携の中で紡いできた歴史を実感する場であると語りました。
 しかし現代の日本は、近隣諸国との不信感を解消せずに21世紀を迎えました。習近平総書記は「中華民族の栄光」を唱え、中国を超えて中華文明にアイデンティティを持つ大中華圏の人たちの自尊心を喚起しています。寺島は、数年前までは仮説であった大中華圏が今では政治的実態となりつつあるとして、日本がこの地域といかに向き合うべきかを真剣に考察する必要があると強調しました。
 次に寺島は、17世紀オランダを例として、あらゆる社会現象を結ぶ関連性を認識する大切さに触れました。例えばレンブラントの絵には、イベリア半島や東欧地域からオランダに亡命したユダヤ人の悲劇が投影されているとして、絵画からと当時の技術や経済活動、そして国際関係が連想できると指摘しました。
 さらには、日本社会や仕事観の変化にも言及しました。昨年の紅白歌合戦に強烈な印象を残した「ヨイトマケの唄」の一節には「僕はエンジニア」という歌詞があるが現在では3.11以降の原発専門家に対する世の中の不信感などエンジニアは必ずしも成功モデルとは言えないと述べました。しかし、額に汗して現場を支える健全な経済感覚を忘れるべきではないとして、感情論で経済活動や技術者を軽視する傾向にある近年の風潮に警鐘を鳴らしました。
 最後に寺島は、プロジェクト・エンジニアリングの必要性を強調しました。例えば、農業改革や京浜医療特区構想は大きな可能性があります。しかし、これらの実現には目標に向かって推進する構想力とリーダーシップが必要です。日本が持つ世界一流の人材・資源・技術を共通目標の元で有機的に束ねる能力こそが、今の日本に問われていると受講者の時代認識に訴えました。
 講義後には皆勤賞表彰式が開かれ、寺島が表彰賞を受講生代表に手渡し、2012年秋学期のリレー講座は盛況のうちに幕を閉じました。

 2013年度も引き続き多摩大学リレー講座を開催いたします。
詳細は多摩大学寺島実郎監修リレー講座事務局(
http://www.relay-kouza.net/)にてご案内いたします。

2013年第24号より

寺島実郎の新刊 『大中華圏』が発刊されました!

 1年4ヶ月ぶりとなる寺島実郎の新著 『大中華圏-ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る』が、NHK出版より2012年12月26日に発刊されました。
 寺島が編集者の一人として 『大中華圏 その実像と虚像』 (岩波書店)を発刊した2004年当時は、まだ仮説の議論という切り口にすぎなかった 「大中華圏」という捉え方が、その後の8年間で実体化したこと、さらには政治的意味を持ち始めた国際情勢を踏まえ、議論を深めるために本著を作品化しました。
 「大中華圏」とは、本土の中華人民共和国(陸の中国)単体が経済成長を続けているのではなく、香港、台湾、シンガポールという華僑圏(海の中国)と連携したネットワーク型で発展しているという世界観です。習近平の新しい中国とオバマ政権の米中関係を、日本はどうとらえるのか。21世紀日本の宿命的課題としての「中国といかに向き合うか」を考えるうえで、本著は一つの示唆となるでしょう。
 2013年が、広い世界観に立つ日本の進路が見えてくる一年となりますよう、寺島実郎のもと私ども寺島文庫、寺島実郎事務所、株式会社グローバルインフォメーションネットワーク総合研究所は活動を続けて参りますので、本年もご指導ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
 
<目次>
はじめに 「大中華圏」という視座
第1章 大中華圏の実体化―仮説は現実のものとなった
第2章 ネットワーク型世界観における大中華圏―「海の中国」の中核拠点としての香港・台湾・シンガポール
第3章 政治的意味を持ち始めた大中華圏
第4章 尖閣問題は日米問題でもある
第5章 今、中華人民共和国をどう見るか―私の体験的中国観の中で
第6章 大中華圏との向き合い方―日本人の心の構えが問われるとき


新刊 『大中華圏-ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る』(NHK出版)のお求めは
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2012年第23号より

就職を機に世界と人生を考える若者支援プロジェクト 最新報告

寺島文庫の行う「就職を機に世界と人生を考える若者支援プロジェクト」の最新情報をご報告いたします。

<寺島実郎の新番組スタート>
 2012年12月17日(月)、BS12チャンネル(TwellV)にて新番組「就職を機に世界と人生を考える!BS寺島 月9トーク 」の放送がスタートします。12月17日の初回放送以降、毎週月曜の夜9時より放送されます。本番組は、寺島実郎進行のもと、就職活動に悩む学生だけでなく、その親や企業経営者といった日頃から問題意識を抱えている方々へ世界と人生を考えるヒントを発信します。番組内容は、学生の目指すべきロールモデルとなる各界のトップランナー、日本の産業基盤を支える中堅中小企業経営者と寺島実郎との対談や「寺島実郎の世界観-今、知っておくべきメガトレンド」と題したコーナーの他、新たな就業体験の仕組みであるワークプレイスメントに関するコーナーにより構成されています。
 2012年11月24日(土)には、寺島文庫・文庫Caféみねるばの森を会場とし、村上憲郎氏(前グーグル日本法人名誉会長)を対談ゲストに迎えた収録が行われました。当日は、寺島と村上氏の対談を現役大学生が熱心に聴講し、活発な質疑応答も行われました。
 放送日程は、以下の通り。




寺島実郎の世界観-今、知っておくべきメガトレンド 
第1回テーマ
 「大人とは -カセギとツトメ-」
12月17日(月)、12月24日(月):村上 憲郎 氏(前グーグル日本法人名誉会長)
12月31日(月)、 1月 7日(月):孫  正義 氏(ソフトバンク株式会社代表取締役社長)
  1月14日(月)、 1月21日(月):安藤 忠雄 氏(建築家)

<今後の対談ゲスト(五十音順)>
大里 洋吉 氏 (株式会社アミューズ 代表取締役会長)
小林 達夫 氏 (株式会社コバヤシ 代表取締役社長)
佐々木 直義 氏(オタフクソース株式会社 専務取締役)
澤田 秀雄 氏 (株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長)
鈴木  修 氏 (スズキ株式会社 代表取締役会長兼社長)
橋本 晋栄 氏 (株式会社アーク 代表取締役社長)
水野 彌一 氏 (前京都大学アメリカンフットボール部監督)

2012年第22号より

第3期寺島文庫リレー塾 第1回講義が開講しました!
第一回講義 講師:寺島塾長 「2012年秋―世界の構造転換と日本」

 第3期となる寺島文庫リレー塾が、10月3日(水)に日本工業倶楽部会館(東京・千代田区)において開講しました。初回は寺島塾長が、「2012年秋―世界の構造転換と日本」をテーマに講義を行いました。以下、その一部内容をご紹介します。

▼8月にカタールで開催された第37回中東協力会議に講師として参加した。ペルシャ湾を中心に中東地域をドーナツに喩えると、中心に近いカタール、サウジアラビア、UAEは湾岸産油国として繁栄する一方、外円部であるエジプト、チュニジア等の国から揺らぎかかっている。また、イランの核施設に対して国連制裁へと舵をきろうと、米国は躍起になっているが、この状況にイスラエルも焦燥感を募らせている。昨今「イスラエルがイランの核施設攻撃を実行するのではないか」という話題が出るが、イランは巧みに核施設を分散させ地下深く埋め込んでいるため、簡単に封じ込めることはできないだろう。このように今中東に大きな地殻変動が起こっている。米国はシェールガス、シェールオイルの発見に沸き、中東にエネルギー戦略上依存しなくてもいい要素が見え始め、次第にアジアシフトしつつある。スリーマイルの事故以来33年ぶりに原発増設計画を認可するなど、エネルギー戦略も変化し始めている。一方、日本は脱原発を議論にあげているが、東芝や日立はじめ、日本を代表する企業が世界の原子力産業の中核を担っている現実を理解しなければならない。米国と本気で向き合う覚悟と気迫がなければ、日本は脱原発を果たせないだろう。

▼中国が世界に向け英語で発信する国際放送CCTVは、尖閣問題をはじめ領土などをめぐる問題に焦点を当て、中国の立場から日本についての批判を展開し、国際的なイメージアピールを戦略的に図っている。この問題で重要なのは米国の立ち位置である。米国は日中両国に配慮して、あえて中立的立場をとっている。この曖昧作戦ともいうべき構造が日中関係をより複雑なものにしているが、日中関係=米中関係という構図に気付くべきである。7、8年前は経済的ネットワーク上の仮説概念であった「大中華圏」が今や現実となりつつある。大中華圏とは本土の中国だけでなく台湾、シンガポール、香港を含む概念だが、現在中国の経済成長は、これらを包括した相互ネットワーク型の発展を遂げている。さらに経済的連携だけでなく政治的意味も持ち始めた点が重要だ。2008年の北京オリンピック以来、「中華民族」という表現が頻繁に使用され、同朋意識をより深化させる意図も感じられる。 日本人はもっと視界を広げ、近隣諸国には馬鹿にされたくないという程度の矮小なナショナリズムに傾倒するのでなく、21世紀型国際関係への構想力を高めなくてはならない。