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2011年第3号より

寺島文庫リレー塾 「世界を知る力 ―いま、本当に考え抜くべきこと―」 第10回講義
2011年3月9日(水) 会場:早稲田大学 井深大記念ホール

Part3  2011 年3月9日(水)夕刻、東京新宿区の早稲田大学井深ホールにて第10回目(最終回)の寺島文庫リレー塾が開催されました。講師は寺島実郎塾長で、 「日本創生への基軸」というテーマで講義が行われました。時間を超過して行われた熱のこもった最終講義に、300人余りの聴講生(社会人、学生等)が真剣 に耳を傾けました。講義の要旨は以下の通りです。

 時代認識を深める目的で始めたこのリレー塾の志を持続して開催し続けたい。世界はめまぐるしく動き続けており、確実に全員参加型の秩序に近づいている。要 するに力の論理では束ねきれずに、途上国も含めて誰もが発言を求めて手をあげるといった一見収集のつかない状況にあるが、全員が自己主張する中で自分の国 益と利害を主張していく時代に変わりつつあるということだ。こういった現状において、今こそ日本を創生していく基軸をしっかりと確立すべきだ。それには政 治を可能な限り極小化(代議制民主主義の鍛え直し)し、プロジェクト・エンジニアリングを実現することが必須である。新しいガバナンスで足場を固め、ポス ト自動車産業のすそ野に幅広いシナジーを生むプラットフォーム型産業をつくれば、日本の成長が見込まれるだろう。


2011年第4号より

多摩大学 寺島実郎監修リレー講座2011春学期開講
『現代世界解析講座Ⅳ ー 21世紀初頭の10年を超えて』

2011年4月21日(木) 会場:多摩大学 多摩キャンパス001教室

  2011年4月21日(木)、寺島実郎が学長を務める多摩大学で4年目となる寺島実郎監修リレー講座「現代世界解析講座―21世紀初頭の10年を超えて」の春学期が開講。本リレー講座は、多摩大学の2年生以上の学生の必修科目であるとともに、多摩地域等の社会人にも公開され、寺島のネットワークする産官学メディアの有識者が講師となり全12回開催されます。

 初回は、寺島実郎が講師を務め、3.11の東日本大震災を踏まえ、「直面している構造変化とは何か」をテーマに講義を開始しました。冒頭、寺島は震災時の体験を踏まえ、今回の震災によって、現代人は等身大ではない技術に依存して生きていると思い知らされたと語った。当日、寺島は出張のため新幹線で移動中であったが、新幹線の脱線等大事故が発生しなかったことを伝え、震災時に機能したこと・しなかったことを整理することが必要と述べた。また、原発についても、エネルギーベストミックス論者である立場から、原発をただちに廃止すれば済む問題ではないと述べた。その背景には、中国等近隣諸国の原子力開発は加速しており、日本が原発を廃止しても同様のリスクは存在するため、日本は原子力の平和安全利用の技術基盤を蓄積し、技術者を育て、国際エネルギー分野での発言力を高めておく必要があると言及した。

 震災復興プランについては、街並みや堤防を単に造り直すのではなく、日本を創り変える構想が必要と言及し、その前提となる重要な視点・数字として、震災の有無に関係なく予測されている東北6県の過疎化・高齢化・人口減少(人口:2010年1,168万人⇒2050年727万人へ、65歳以上人口比率:2010年25.9%⇒2050年44.6%へと予測)、また、対米貿易から対アジア貿易への貿易構造の変化(対米貿易比重:1990年輸出32%・輸入22%⇒2010年(1-11月)各15%・10%。対アジア貿易比重:1990年輸出31%・輸入29%⇒2010年(1-11月)各56%・45%)を説明。そして、第2次産業の生産拠点の海外への移転が予測される現在において、第1次産業を育て食材王国として東北を復興していくことの重要性、若者が十分に生活できるだけの産業力の必要性について述べ、さらに、太平洋側と日本海側の地域を相関させて戦略を練ることが重要と説明した。


2011年第2号より

財団法人国立京都国際会館 自主企画イベント 「世界の潮流と日本の進路」
2011年2月11日(金) 会場:国立京都国際会館

part2  2011年2月11日(金)、財団法人国立京都国際会館(理事長:稲盛和夫氏、館長:天江喜七郎氏)の自主企画イベントとして、「世界の潮流と日本の進路」をテーマに、同会館の評議員を務める寺島実郎の基調講演および同志社大学法学部教授の村田晃嗣先生との対談、そして懇談会が開催されました。寺島の講演は、世界潮流の事実認識を自身が積み上げてきたデータを共有した上で、戦後から現在まで日本がとってきたポジション、今後米中が戦略対話を行う中、日本がとっていくポジショニング、日米同盟の「進化」について語りました。
 まず、日本の国際関係を議論する上での事実認識として、日本の貿易構造の変化、即ち1990年に輸出32%・輸入22%を占めた対米貿易比重が2010年(1-11月)各15%・10%となった一方で、対中国貿易比重は1990年に輸出2%・輸入5%であったのが、2010年(1-11月)には各19%・22%になったことの意味について、下記資料を参照しながら説明しました。
 次に、日本を取り巻く人流の変化と、2007年に1.28億人でピークアウトし、減少局面にある日本の人口構造を挙げ、2050年に65歳以上人口が39.6%と計測されていることを認識すべきこととして共有しました。
 そして、世界潮流として、冷戦終焉後のアメリカ流資本主義のグローバル化、アメリカのプレゼンスの低下に起因する「覇権無き中東」の行方、全員参加型秩序の時代(無極化・G0の時代)におけるグローバルガバナンスに向けたルールづくりの重要性を述べました。
 最後に、「日米関係は米中関係」という認識の上で、今後の日米同盟の『進化』を考える必要性について語りました。

 的確に認識すべき国際社会との相関

 日本の貿易構造 (アジア・大中華圏への比重移動) : 14%を割った米国との貿易

 輸出に占める比重


   輸入に占める比重

                        (『寺島実郎の時代認識 資料集』2011年新年号より抜粋)

  『寺島実郎の時代認識 資料集』については、こちらをご覧ください。


2011年第1号より

『問いかけとしての戦後日本と日米同盟 脳力のレッスンⅢ』出版記念会
GIN総研フォーラム年末講演会『寺島実郎の視座』が開催されました!

2010年12月15日(水) 会場:日本工業倶楽部会館

Part1  2010年12月15日(水)、東京丸の内の日本工業倶楽部会館にて『問いかけとしての戦後日本と日米同盟 脳力のレッスンⅢ』出版記念会、GIN総研フォーラム年末講演会「寺島実郎の視座」が開催されました。講演内容は、「脳力のレッスンⅢ」のテーマとなっている「戦後日本」の置かれてきた歴史的事実、新しい時代に対する思想と行動についてです。寺島は自身の考え方を、長年積み上げてきたデータに基づいて真正面から語りました。
 特に、今後日本はどう中国と向き合うべきかという問いかけに対し、寺島実郎は「中国が目覚ましい経済発展を遂げているのは事実だが、それに対して日本は過剰に自虐的になっているように見える。日本はあらゆる産業分野で世界に通用するブランドや技術を持っているのだから、もっと自信を持ち中国に対して気おくれする必要はない」と述べました。また米国との関係においては、「国際社会の常識に立ちかえって改めて関係を構築する必要がある」との認識を示しました。
 また、直近の活動報告として、昨年12月10日に北京にて開催された日中韓政府プロジェクトの「キャンパス・アジア構想」第2回会議の報告をしました。キャンパスアジア構想とは、東アジア版「エラスムス構想」で、日中韓の有識者が集まり、留学先の国で取得した単位を相互に認定し合うシステム構築実現を議論しています。将来的には他のアジア諸国の大学にも同様の仕組みを作ることを目指しています。
 講演後は、岩波書店「世界」編集長のご挨拶の下、参加者間の懇親会が行われました。年の瀬の雰囲気の中、首都圏以外に在住で普段、寺島と接点の機会が少ない参加者も積極的に交流を行いました。