<留学生止まり木プログラムを卒業するにあたって>
【寄稿】 カルロヴァー・ぺトラ 氏 (Petra Karlova, Ph. D.) カレル大学史学博士、早稲田大学国際関係博士
私は寺島文庫に早稲田大学の博士後期課程として入学した2009年10月からお世話になりました。研究する場を与えていただいたお陰で、2014年9月、無事博士論文を提出することができ、2015年3月で卒業します。
寺島文庫では、自分の研究をする場だけでなく、日本の文化と接する場でもありました。初めて日本人のみの職場に置かれましたので、日本の社会人とどう振舞えばいいのかとゼロから勉強しました。
その勉強経過について「〈文脈〉の重要さ――欧米人は日本の文化を理解できるか」を始め、「文庫だより」に異文化に関する記事のシリーズを発表しました。グローバル化の時代で異文化に接する機会が増えているので、私の経験が人々のお互いの理解に貢献できればという気持ちで執筆しました。
日本文化について学んだことを日常生活で活かすだけではなく、空手の国際交流を促進するためにも使っています。2008年4月から日本空手協会大志塾の会員ですが、この7年空手の世界ブームを実感しています。色んな国の空手家は技術レベルが高くて、精神力が強い日本の空手に憧れて日本空手協会の道場に稽古をしに来ています。特に、大志塾の指導員が有名なので、毎月海外からお客さんが数人います。そこで、私は来日する空手家に稽古や東京の情報を伝えたり、稽古の指導を日本語から英語、もしくはチェコ語へ通訳したり、稽古の後のパーティーで交流したりするときに、日本文化について教えることがあります。やはり、外国人の空手家は日本の空手の秘密を探っていますので、体の稽古だけでなく、心の精錬にも興味を持っているのです。
私はチェコ人なので、特にチェコの空手家と親しいです。チェコの日本空手協会の会長は日本空手協会とやり取りをするときに、東京に来るときに、いつも私に色々依頼してきます。チェコの空手家が来日するときに、私はホテルの予約をしたり、様々な道場を案内したり、東京都内外を一緒に観光したりしています。私は彼らを酒造工場、東京都北区防災センター、鎌倉、箱根、横浜などに連れて行きました。
このように、私は寺島文庫などで勉強した日本の文化の経験や知識を活かして、日本と世界、特にチェコとの架け橋として活動しています。日本の大好きなところを共有できてとても嬉しいです。
(2015.2)