2024.08.27掲載
株式会社カネカ・「みねるばの森」基金 特別企画 第2回「こどもの未来応援ツアー」
昨年10月の開催に引き続き、第2回「こどもの未来応援ツアー」を株式会社カネカ様の全面的な協力のもと、本年5月12日(日)に開催いたしました。本ツアーには、池森奨学財団様の奨学生とそのご家族、多摩大学様の学生など計18名にご参加頂きました。
株式会社カネカ様には、弊基金の理念や趣旨に対して前回に引き続きご理解頂き、本プログラムに対して様々なご尽力を頂きました。改めて深く御礼を申し上げます。
普段は見る機会がない工場内部や、スタジアムのバックヤード内部などの見学を通じて、日本を支える製造業やサービス業の現場理解を促進し、スポーツ観戦を通じて未来を担う子どもたちに夢を与えるという本プログラムの目的を、達成できたのではないかと考えております。 弊基金としては引き続きカネカ様とのご縁を大切にしながら、次代を担う子どもたちのため、本プログラムが次につながるように努力を重ねて参ります。
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チャリティー出版記念講演会 5月23日(木)、東京・日本工業倶楽部会館に於いて、寺島の最新刊である『21世紀未来圏 日本再生の構想』(岩波書店)の出版を記念したチャリティー講演会を開催いたしました。当日は約200名の方にご参加をいただき、基金の活動をご支援いただきました。(この記事では、講演の一部をご紹介いたします。) □講演会開催にあたり 今回の講演会は、寺島文庫「みねるばの森基金」のチャリティー企画として開催いたしました。本基金は、「貧困の連鎖」、本人の責任に問われない、生まれながらの状況による不条理を、社会科学的アプローチで立ち向かうべく、細川護熙氏(元内閣総理大臣)とともに、2021年に設立したものです。課題認識を共有する方々と共に、子どもの教育支援や子ども食堂支援など様々な取組を行っており、新著にかかる講演に先立ち、その成り立ち、支援の必要性について会場参加者と共有しました。 □歴史のプラットフォームから今を認識する 最新刊タイトルにもある『21世紀未来圏 日本再生の構想』。この構想の前提となる内外の潮流の基本認識を踏まえるべく、講演では、配布の資料集を参照しながら、歴史認識のプラットフォームを共有しました。
□健全な危機感の共有 21世紀の日本のあるべき姿を構想するために、今日本が置かれている状況を事実として正視する必要性を述べ、歴史のプラットフォームから経済基盤の観点で推移と現状を共有しました。 世界GDPに占める日本の割合は、明治期を迎えた頃は3%程度だったと推計され、戦前の比重のピークが1940年で約5%、戦後期の1950年では約3%でした。その後の復興・成長を直走った日本は外貨を稼ぐ産業群を育て、1994年には世界GDPの約18%を占めピークを迎え、戦後を生きた日本人は「工業生産力モデル」の優等生として、産業力で外貨を獲得して、敗戦後の経済を復興させ、世界GDP第二位の経済大国を作り上げたということに大きな誇りを持っていたと見ます。 □産業基盤の強化 産業構造を考えるにあたり、豊かさの産業づくりから国民のレジリエンスを高めることへの発想の転換についても述べています。例として経済・産業再生への針路について、日本の技術力を集結し、日本の産業基盤を強くすることができるという点に視界を持っていく必要性を指摘します。DXやイノベーションにも立ち向かわなければならないが、イノベーションよりも大事なのは基盤強化と語ります。そして、日本で国産ワクチンを開発できなかったことや、国産ジェット旅客機MRJプロジェクトが挫折した例を挙げ、 埋没が進む日本を建て直す上で重要なことは個別の要素を組み合わせて完成体を作り出す「総合エンジニアリング力」であることを指摘しました。 |
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