寺島文庫

水曜, 12月 25th

Last update月, 23 12月 2024 5pm

ビション・フリーゼ 文庫犬エリゼの成長記録

今回は、文庫犬エリゼの誕生より3年を迎えましたので、エリゼの歴史を簡単に特集します。

ヨーロッパの激動の歴史を引き継ぐエリゼ


   皆様から愛される文庫犬・エリゼは、1月26日に3歳の誕生日を迎えました。名前は、フランスの王侯貴族に寵愛された犬種であることから、エリゼ宮殿にちなみ命名されました。
 犬種の現代名は「ビション・ア・ポワル・フリゼ」(Bichon à Poil Frisé)で「巻き毛を持つビション」という意味です。ビションはバルビション(Barbichon)の略語で「小型のバルべ(Barbet)」という意味を持ち、バルべはウォーター・スパニエル(水上・水中作業のために誕生した犬種)の古代種を指します。
 原産はアフリカ大陸北西沖に浮かぶスペイン領カナリア諸島とされています。しかし、15世紀初め、「大航海時代」にスペインの探検家がカナリア諸島に到達した際には、ビション・ア・ポアル・フリゼは存在しませんでした。後の時期に、スペイン人がビションの祖先にあたる愛玩犬をカナリア諸島に連れて行き、同島で犬種が変異したためビションが誕生したと言われています。

 スペインでは、16世紀~19世紀前半に貴族の間で人気が高まり、近代絵画の創始者の一人で、宮廷画家であったフランシスコ・デ・ゴヤの絵画にも描かれています。
 16世紀のヴァロア朝フランスでも王侯貴族に愛されました。フランスには、イタリア戦争(ヴァロア家とハプスブルグ家とのイタリア領有をめぐる戦争)を契機としてイタリア経由で渡ったとされています。この時代は、国王の文芸保護政策のもとでレオナルド・ダ・ヴィンチがフランスに招かれるなど、フランス・ルネサンスの開始期でもありました。
 エリゼは、中世から近世へ移行していくヨーロッパの激動の歴史を引き継いでいます。




 
  ■今ではすっかり日本文化が大好きなエリゼ(こどもの日)