2011年第11号より
第4期多摩大学リレー講座 『現代世界解析講座Ⅳ 21世紀初頭の10年を超えて』
秋学期中間回:寺島実郎学長講義
2011 年11 月10 日(木) 会場:多摩大学多摩キャンパス 001教室
2011年11月10日(木)、寺島が学長を務める多摩大学における4年目リレー講座の秋期中間回講義が開催されました。このリレー講座は多摩大学学生の必修科目であるとともに、多摩や東京西地域を中心とする一般社会人にも公開され連続開催されています。
秋期12回の折り返し講義となるこの第6回で寺島実郎は、TPP問題、アメリカ流資本主義のもたらした歪み、そして大学就職難の状況と経済だけにとどまらないアジアシフトについて言及しました。
かねてより発言を続けてきたように、TPPに関する賛否を産業対農業の闘いという構図にしてはならず、食料自給率を高める努力と共に慎重に進めなければならないこと、また未だ国内産業構造の調整が取れておらず、この先各国との協議過程で主体的役割を果たす可能性が低い現在、選択できる措置は、日米二国間の包括的自由協定の交渉を粘り強く働きかけることだろうとの示唆を述べました。
また、アジアシフトの流れは就職難問題にも大きく関与しており、今や就活生のコンペティターは日本人学生だけではなく、外国人や外国大学出身者と同じ土俵でスキルや向上心を競い合う現実について語りました。大学の位置づけや親世代の感覚における問題点を指摘し、社会を広い視野で捉える事の重要性とこのリレー講座のテーマを改めて語り、講義を結びました。