2011年第2号より
財団法人国立京都国際会館 自主企画イベント 「世界の潮流と日本の進路」
2011年2月11日(金) 会場:国立京都国際会館
2011年2月11日(金)、財団法人国立京都国際会館(理事長:稲盛和夫氏、館長:天江喜七郎氏)の自主企画イベントとして、「世界の潮流と日本の進路」をテーマに、同会館の評議員を務める寺島実郎の基調講演および同志社大学法学部教授の村田晃嗣先生との対談、そして懇談会が開催されました。寺島の講演は、世界潮流の事実認識を自身が積み上げてきたデータを共有した上で、戦後から現在まで日本がとってきたポジション、今後米中が戦略対話を行う中、日本がとっていくポジショニング、日米同盟の「進化」について語りました。
まず、日本の国際関係を議論する上での事実認識として、日本の貿易構造の変化、即ち1990年に輸出32%・輸入22%を占めた対米貿易比重が2010年(1-11月)各15%・10%となった一方で、対中国貿易比重は1990年に輸出2%・輸入5%であったのが、2010年(1-11月)には各19%・22%になったことの意味について、下記資料を参照しながら説明しました。
次に、日本を取り巻く人流の変化と、2007年に1.28億人でピークアウトし、減少局面にある日本の人口構造を挙げ、2050年に65歳以上人口が39.6%と計測されていることを認識すべきこととして共有しました。
そして、世界潮流として、冷戦終焉後のアメリカ流資本主義のグローバル化、アメリカのプレゼンスの低下に起因する「覇権無き中東」の行方、全員参加型秩序の時代(無極化・G0の時代)におけるグローバルガバナンスに向けたルールづくりの重要性を述べました。
最後に、「日米関係は米中関係」という認識の上で、今後の日米同盟の『進化』を考える必要性について語りました。
的確に認識すべき国際社会との相関
日本の貿易構造 (アジア・大中華圏への比重移動) : 14%を割った米国との貿易
輸出に占める比重
輸入に占める比重
(『寺島実郎の時代認識 資料集』2011年新年号より抜粋)
『寺島実郎の時代認識 資料集』については、こちらをご覧ください。